兵庫県内の葬儀に参列をすることがあった場合、注意をしなければいけないことがあります。それは香典袋です。全国的には白と黒の水引のものを使いますが、兵庫県では黄色と白の水引の香典袋を使うことが一般的です。黄色は喪を意味する色なので黄色と白を使うようになったと言われています。
また故人のために飾る花は白い菊の花が一般的ですが、兵庫では樒を使うことが多いです。樒は香りが強いので、死臭を防ぐためにも使われていました。今でもこの風習が残っている地域が県内にはたくさんあります。播磨地方では出棺の際に棺をその場で3回まわす風習があります。
これはあの世に迷いなく旅立って欲しいという意味合いがあります。他にもこの世にはもう戻ってこないようにするための儀式でもあります。県内にはまだまだ独自の風習が数多く残されています。
兵庫県の地方の一部では、近親者が出棺の時に棺をくるくると三度回すというしきたりがあります。その意味は、色々と言われていますが、棺を回し、亡くなられた方の方向感覚を無くし、再度家に戻ることが出来なくするためと言われています。
これは、この世に未練を残さず、迷うことなくあの世へ旅だってほしいという願いが込められています。他に、回ると言うことは、仏教の修行でも見られる行為です。それで、棺を回す事で、仏教の修行を実践しているとみなし、この世での罪をなくすという意味が込められています。
また、葬儀で亡くなられた方に花をお供えします。この時、菊などの生花を使うことが多いです。しかし、昔から日本に自生している常緑樹の樒をお供えします。この、樒は香りが強いため、この樒が死臭を防ぐために昔は使われていたことから、現在はお供えするようになったと言われています。